傷はぜったい消毒するな

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

新年早々、切り傷を作ってしまった。しかも職人の最も大事にすべき右手の指先、人差し指から薬指まで3本。まったく、たるんでますね。こうやって更新するのにもキーボードを数日まともに打てなかったという。
そこでしばらく前に読んだ本を引っ張り出して試してみた。この本、『傷はぜったい消毒するな』とあるけれど、試してみないことには評価のしようがない。この本を読んで初めての傷に試すチャンスが到来したというわけで、幸か不幸か。
この本の著者、夏井陸さんがこの本で語っていることは要約すると3つ。
まず1.傷口から吹き出しているじゅくじゅくした液体は治癒促進剤である。
その2.じゅくじゅくした液体は乾燥に弱い。常に傷口を湿潤に保つことが回復への近道。かさぶたは乾燥して出来た皮膚の死骸である。
その3.消毒液をかけたり、ガーゼで拭き取ったり、乾燥させたりするのは傷の治りを遅くするだけなので止めた方が良い
要はこの3つを言いたいがために、自身の取り組みを書いたり、医療現場の批判をしたり、けがとは何か?を語りかけたりして1冊にしているという感じ。自信家が延々自慢話をしているようなもので、読み物としてはどうかという印象。でも、結局はそれを実践したときの効果がどうであるかで評価は左右されると思う。
試しに傷を負った人差し指と中指の人差し指だけに、本で紹介されたサランラップを巻いて湿潤状態を保つということをやってみた。結果、…それほど変わったという実感はなかった。
例えば、普段の状態と風呂上がりで柔らかくしっとりした状態とを比べてみたとすると、言われてみると確かにしっとりしたときのほうが治りは良いのかも…という感じだが、明らかに治りが早いと実感がわくほどの違いは無かったような。
まぁ、この記事読んで試す機会がある人は、切り傷や擦り傷、やけどなどの皮膚の傷はサランラップを巻いて湿潤に保つといいらしいので試してみては。ただし、自己責任にて。