非属の才能

非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)

「才能は、どこにも属せない感覚の中にある」
何かに属する、群れの中で生きるために必要な集団行動力や空気を読む力というものは大事だけど、周りに合わせすぎていては自分の強力な個性が死んでしまう。群れの中で生きてきて「何かヘンだな」と思ったり、あるいはおまえは変だと後ろ指を指されるような習癖というのは、その人の持っている天賦の才能であると説いている本。
自分が好きだと思っていることや正しいと信じていることでも、大多数の他人に否定されたらなかなかその道って貫けないものですよね。
でも、エジソンは変わり者ってことで学校退学させられたけど発明王になったし、野茂英雄は独特のフォームで大リーグ行ったし、初代ガンダムは視聴率悪くて打ち切られたけど名作といわれるし、ダーウィンは教会に背を向けてでも進化論を唱えた。自分を貫くことで「常識はずれ」がいずれ「常識」と言われる時代もくるかもしれない。
逆に言えば、学校で成績優秀、一流大学に入り一流企業に就職し、それなりの役職について人並みに幸せな家庭を持つということが本当に幸せなのかどうか。群れに属して無難に生きればこういう道がベストなのだろうけど、何かを我慢してその奥に潜む才能を押し殺してまで得たいと思う幸せだとはとても思えない。
と、まぁ群れが苦手で自分は特殊なのではないかと思う私にとっては少し心和む背中を押されたような感じを受けた一冊。なにかに挑戦してみようかな。