日本沈没

20xx年、東海地震が発生。それをきっかけに日本の地下を支えるプレートの構造に異変が生じ、1年以内のうちに日本は沈没する。このような絶望的な状況下で、ある者は海外へ逃げ延び、ある者は自らの任務を全うし、ある者は日本と運命をともにする覚悟を決める。富士山の噴火とともにフォッサマグナが裂ければ全てが終わる。圧倒的な絶望的状況下において、最後の希望を一隻の潜水艇と潜水士に託す…。
よく洋画だとニューヨークが凍り漬けになったり、隕石が降ってきたり、宇宙人に侵略されたりして大都市がことごとく壊滅するシチュエーションがある。そんな中、邦画では怪獣映画を除けば割とそういう類の映画が少ないのだがこの映画は凄い。何と言っても日本がそのまま無くなってしまうという話なのだから。焼け野原の静岡、洪水に沈む函館、火山灰に襲われる鹿児島、海の底に沈む大阪、そして宇宙から見た日本の形をしていない日本列島。どれをとってもかなりリアルで壮大な、ハリウッドと見劣りしない壊れッぷり。
この話の一つのキモは、日本がなくなるという未曾有の災害に襲われたときにとる日本人的行動。死を受け入れる人がいる一方で、困難な状況でも逃げ延びようとする人がいる。また、人のために死ねるという価値観。日本人とはこういう特殊な人間性を持っているんだ、というところが克明に描かれているのが印象的でした。
もう一つの見どころ、キャスト。草薙剛は主役級の潜水艇乗りですが、どこかパッとしない役柄。しかしそれが等身大の日本人像を見せているようで好印象でした。それとヒロインの柴咲コウ。バイクに乗ったりレスキューしてみたり、かなりカッコイイ。それでいて時折見せる弱さが余計にかわいく見える。名演技です。トヨエツと大地真央は政府の視点での活動をみせるが、これもまたよい。もう、コレしかないと思わせるほどハマッているキャストが素晴らしかったです。
この映画はここ1年くらいで最も良かった映画と思う。見てない人は是非見て。