男たちの大和

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

太平洋戦争時の戦艦大和を、乗員たちの視線で描いた物語。
知っている人も多いと思いますが、戦艦大和は当時世界最高の戦艦であったにもかかわらず、航空勢力に対抗できず活躍の場もなく非業の最期を遂げた船。日本の旗艦、絶対に沈まない船と言われながら、この作品では死と隣り合わせの乗員たちの心情を描いています。絶対に生きて帰れないと分かっていながら、なぜ戦地へ行くのか。死とはいったい何なのか。そんなことを考えさせられる、強いメッセージ性を持った作品です。
日本人は決して命を軽んじている訳ではないが、死を恐れないのです。もちろん、死ぬのは怖い。しかし自ら死地へ赴けるのは、誰かのためなのです。それが仲間や上官だったり、田舎に残る恋人や母親のためだったり、あるいは会ったこともない東京や大都市の人々を死なせないためだったりするのです。60年前の価値観は今とは大きく違い、どこか狂っていると思いつつも、なぜか共感して涙を流せる。たぶん、日本人の根っこの部分でまだ当時と似た価値観が生きているのではないかと思うのです。
大和沈没前の壮絶な戦闘シーンはちょっと強烈でした。いわゆる戦争モノの悲惨さがこれでもかと表現されています。苦手な人は注意した方がよいかもデス。それとこの話、泣ける場面がいくつもちりばめられています。ハンカチを用意しておくのがよいかと。