選択する、という勇気

私には現在かかっている医者が二人います。一人は薬を出してくれている主治医、もう一人はマッサージ治療をしてくれている先生。どちらも同じ病気に対しての治療をしてくれています。まさに西洋医学東洋医学の両方からアプローチしているのです。
しかし困ったことにマッサージ治療をしてくれている先生が言うには、今飲んでいる薬がじゃまをしているのでこれ以上良くはならない、薬を止めろというのです。これはつまり、もう一人の先生の治療を否定するということになります。今飲んでいる薬をネットで調べてみると、勝手に服用を止めた場合確実に副作用が出るらしいのです。私はどちらの先生も信用しているのですが、ここにきて、どちらかの先生を選択しなければならなくなりました。
つまり、主治医を選択して薬を飲み続けマッサージによるこれ以上の治療を諦めるか、マッサージ師を選択して薬を止めるか。
非常に悩ましい問題です。しばらく考えていましたが私自身の考えとしては、副作用を覚悟の上で一旦薬を中止したい。短期間で成果を上げたマッサージの先生にここ一回だけ預けてみたいと思ったのです。良くなるにしろ悪くなるにしろ、現状は大きく変わるはずです。これは賭けでもあり、かなり勇気の要ることでした。とにかくこの考えを伝えることと、主治医の先生の意見が欲しくて急遽上京しました。たぶん、先生は薬の副作用を考えて反対するだろう、どうしてもダメだと言われたら考えはますます揺らぐかも知れないと思っていました。
そして主治医の先生に事の全てを話したところ、意外なほどあっさりOKしてくれました。先生はマッサージの効果を認めた上で、薬を止めることも一つの選択肢としてありだろう、と。ただし、すぐに止めると副作用が出るので徐々に減らすように、と止め方を教えてくれたのです。落としどころがハッキリとしたのでサッパリとしました。
その夜、主治医から止められているお酒を数ヶ月ぶりに飲みました。そこまでOKしてもらったわけではないのですが、一晩くらいは良いだろうと。本当に気持ちよく飲めました。いい酔いでしたよ。