犬神家の一族

信州の資産家、犬神家の当主である犬神佐兵衛翁が莫大な遺産を残して他界。その遺言書には「遺産の全ては一族の男の中から珠世が婿に選んだ者に与えるものとする」と書かれており、既に遺産にしか興味の無かった翁の3人の娘はこれを機に骨肉の争いを始める。遺産を巡る争いは遂に謎の連続殺人事件へと発展し、探偵金田一耕助が事件の謎を解決すべく動き出す―。
この話、既に名作として映画やドラマになっているものをリメイクしたものなのだそうですが、私は見たことはないのです。ただ、断片的な知識としてはなんとなく知っていたりするので、独特の音楽や「謎の仮面の男」それに湖から奇妙にそびえ立つ足なんかが出てくると、キターって思っちゃいます。そういう意味では要所要所をキチンと決めた映画といえるでしょう。
推理モノ、といっても余り考えることもないし、石坂金田一もそんなに目立っていなかったような。それより見所は遺産を巡る人間のドロドロとした関係。翁の3人の娘の役である富司純子(松子)、松坂慶子(竹子)、萬田久子(梅子)はソロで出ていても相当迫力があるのに、こんな3人がなりふり構わず遺産争いなんて始めた日にゃ、そりゃ石坂浩二みたいな大物でも「こりゃ恐ろしいことになる」って言いたくもなるでしょう。そんな女性陣の中で松嶋菜々子はかなり若く小さく見えるのですが、時折見せる小悪魔的な立ち回りも実は結構怖かったりする。
原作を知らないので何とも言えないのですが、もうちょっと主役が目立って欲しかった気もする。★4つ。