黒いオルフェ

黒いオルフェ(ポルトガル語版) [DVD]

黒いオルフェ(ポルトガル語版) [DVD]

舞台はブラジル・リオデジャネイロ路面電車の運転手をしているオルフェは、ある日きれいな女性ユリディスを乗せた。彼にはミラという婚約者がいたが、次第にユリディスへ心引かれていく。彼女は最近、妙な男につけ狙われているといって姉の家に逃げ込んできたが、偶然その隣に住んでいたオルフェが彼女を守ると約束する。彼は間近に迫ったカーニバルで、得意のギターで彼女のために歌うと告げるが、彼女は大勢の人の前に出ることをためらう。彼の歌と踊り、そして想いは彼女に届くのか―。
ボサノヴァが世に認知されるきっかけとなるほど名作を多く出した、この原作の映画を見たくなったので借りたDVD。ギターを弾きながらやさしく歌う「黒いオルフェ(Manha de Carnival)」という曲は映画の中でも一番の見所となってます。しかしこの映画、のっけからいきなりサンバ・サンバ・サンバ。もう常に歌とダンスが尽きないと言っていいほど。とにかく明るい。
映画ということで多少の誇張はあるだろうけど、ブラジル人の国民性というものがなんとなく見えてきます。単なる通りがかりでも踊りの輪があれば構わず参加するし、ストリートサッカーでも必ず加わる。暮らしが苦しくても、大切なものを質に入れてでもお金をつくりカーニバルの衣装に当てる。本当にカーニバルとサンバが生活の中心なのです。ブラジルは日本から見て地球の裏側だけれども、国民性も180°違うのですね。貧しいけれどとても楽しそう。まぁ、ヒロインのユリディスはそういう空気が苦手な娘みたいですけど。さすがに全員が全員そういうわけでもなさそうです。
もともと戯曲を映画化したものだそうで、ストーリーや描画はもう少し物足りない。しかしブラジルの空気が画面を通して伝わってくるほどの圧倒感があります。私はコレ見てカーニバルを見に行きたいと思いましたけどね。★3つ。