パットン大戦車軍団

第二次世界大戦末期、アメリカ軍の鬼司令官パットン将軍はアフリカ戦線にいた。根っからの軍人である彼は、その剛胆な性格から部下にも慕われた。彼が狙うはドイツ軍を倒しベルリンを解放することだ。敵方のロンメル将軍も大きな障害だが、味方のモンゴメリ将軍はパットン将軍を敵視しことごとく邪魔をしてくるもっとやっかいな敵だった。彼は功績を残しながらも政治的な駆け引きには疎く、左遷されたり部下が自分の上司になったりと冷遇されてしまう。そんな状況でも彼は猛然と敵に立ち向かう―。
一応戦争映画というカテゴリになるのでしょうが、本質はパットン将軍の人物像の投影。彼の歯に衣着せぬ物言いは時に誤解を生むが、部下からの信頼は厚い。時に繊細に、時に冷淡に。とにかく彼の情熱は敵に勝つことただ一点にあって、強引にも思える命令もどことなく説得力がある。良くも悪くも、リーダーというのは多少強引にでも引っ張っていかないとチームはうまくいかないんだろうなということを考えさせられます。
ところで、私がこれを見ようと思ったきっかけはトム・デマルコ先生の著書「デッドライン」でパットン将軍が理想のリーダー像として書かれた部分があったこと。確かに、組織を語るなら企業よりも軍隊のほうが向いているような気もする。敵を調査し、補給路を確保し、敵の出方を想定した訓練を行い、部下の一人も死んで欲しくはないが死ねと同等の命令をするような無茶なことを要求する。自分の思いとは裏腹に上からの指示は絶対だし、味方にも足を引っ張る敵がいる。それは企業に置いても同様だし、そんな難しい命題をこなすには多少の強引さと人間力、上やライバルとの摩擦を恐れない態度が重要なのだろうとおもったのでした。
まぁ、古い映画と言うことでエンターテイメント性は薄いです。でもパットン将軍の人柄はなかなか見応えがあって好印象。★3つ。
デッドライン