バッテリー

主人公の巧は天才的な素質を持つピッチャー。野球の腕はすごいが孤高な性格をしている彼は周囲から孤立しながらも黙々と練習をこなしていた。彼は病気がちな弟、青波の静養のために一家で田舎に引っ越してくることになった。その田舎で偶然、キャッチャー豪と出会う。捕手さえも簡単に捕れない巧の剛速球を豪はすぐに捕ってみせ、彼や友人たちの明るい性格が巧の心を少しずつ解きほぐしていった。体の弱い弟の分まで野球をしようという巧の想いと、弟のために野球を見せつけないで野球なんてやめて欲しいと言う母の言葉に葛藤を抱きつつも、彼らは中学の野球部でバッテリーを組んで練習を始める。

野球モノ、ということで今までスルーしてきたのはもったいなかったと思うほど良い作品でした。
好きなことをやる、自分のやりたいことを押し通すというのは本当に難しく苦しいこと。そしていつの間にか「好きだから」から「誰かのために」とすり替わってしまう。野球にしても何にしても、あー何となく分かるなーって感じでした。自分にもどことなく思い当たるフシがあるので共感したっていうか。
みんな中学生なのでその辺のテーマが全くいやらしくなく新鮮に伝わってくるんですよね。特に主人公の巧は口が下手でひねたことばかりいうのですが、「目」とか「間」で言いたいことが言葉以上に伝わってる感じがすばらしかったです。後半は結構泣けました。