ドコモとau

ドコモとau (光文社新書)

ドコモとau (光文社新書)

「はじめに」のくだりに、ドコモとauの関係は自動車業界でいうトヨタと本田の関係に近い、と書かれていてなるほどと思って読んだ本。携帯電話産業の黎明期から今日に至るまでの両社の成功と苦悩が綴られている。私は前の会社で携帯電話関連の仕事をしていた関係で、この本をとても興味深く読むことが出来た。
この本ではどちらかというと技術的な面よりサービスの展開について主眼が置かれているので情報通信についての知識が無くても読めるが、興味を持って読める人は限られるのではと思う。ただ私はぜひ読んで欲しいと思う。なぜならば、この本ではソフトウェア屋さんがいかに苦労しており、今の情報化社会で重要な役割を果たしているかが読みとれるからだ。ソフトウェア技術者は「デスマーチっぽいよね」とか以外はその苦労とか役割を紹介する良い本があまり無いと思う。
この本で物足りないと思ったのは、あくまでドコモとauに限った話になっており、ボーダフォンや私の推すウィルコム(PHS)に一言も言及していないこと。それ以外はとても読み応えのある本となっています。