「サザエさん」と「きょうの猫村さん」

今日、とある待合室で暇つぶしに週刊文春を読んでいました。ちょっと古くて7月のものでした。そこできょうの猫村さんを発見し、まさかこんなところでこんなネタを見つけるとは…と思いついつい読んでしまいました。猪瀬直樹さんのコラムです。家族の団欒について、昔はサザエさん的であったものが今はきょうの猫村さん的になってるんだな、という話でした。
サザエさんは言わずとしれた長寿漫画で、家族の団欒を書いたものですので説明は要らないと思います。きょうの猫村さんを知らない人のために軽く説明しますと、ネットで掲載されて話題になり人気が出たほのぼの系漫画です。擬人化された猫の猫村さんが主人公で、いろいろと問題のある家庭の犬神家に家政婦として雇われます。その家では問題は放っておけばいいというスタンスなのですが、おせっかいな猫村さんがこれではいかんと奮闘するお話です。
サザエさん一家は家長を中心として三世代同居、特に家庭に問題があるでもなくひたすら平和です。しかし時代は昭和の雰囲気。時代が反映されていないのです。テレビが流行ってもサザエさんは通販番組やワイドショーにふけるわけでもなく、学校でも学級崩壊が見られるわけでもない。ワカメのスカートの丈が問題になることもないし、マスオさんが夜遊びにふけることもないです。これはこれで一貫したブレないスタイルとしてアリだと思います。
対してきょうの猫村さんでは、サザエさんと同じく三世代同居ですが、整形や美容に熱心で家事をしない嫁、浮気性のある夫、グレた娘、学校の成績と就職活動にしか興味のない息子、嫁と顔を合わせず一人で食事を取る姑と問題ありまくり。そしてそれを何とかしたい家政婦の猫村さんの努力がほのぼのとするポイントなのです。かなり乱暴な設定ですが、共感できると言えばできる。時代を反映してます。家族の団欒とはいかなるものかを問う形としては逆説現代版サザエさんといえなくもない。
なんかしっくり来ないのですが、妙な説得力のあるコラムだなぁと思って読んだのでした。
きょうの猫村さん 1 きょうの猫村さん 2