はてな夢日記 4枚の時間の絵

とても美しい夢で忘れてしまうのが惜しい。そんなことを考えさせられる夢でした。

ある劇場の塔の部分にかかる暗いらせん階段の踊り場に、2枚の絵と2枚の壁画があった。
2枚の絵は「時の始まり」「時の終わり」。
「時の始まり」は半月が、「時の終わり」は暗闇が描かれていた。それぞれらせん階段の両側に向かい合わせに飾ってある。暗いはずのらせん階段だが、月はぼんやり光って見えた。この絵画はいつか始まった時間の始まりに喜びを表し、いつか終わる時間の終焉に恐れと敬意を表す。そういう意図でまずこの2枚が飾られたのだという。
2枚の壁画は「始まりの前」「終わりの後」。
2枚の壁画は暗闇の中でもぼんやりと光る塗料で描かれたアーチ型の扉の絵。のぞき込むと言葉では言い表せないような幾何学的な世界が見えた。写し鏡のようなどこまでも続く奥の世界に流れ星が見えたような気がする。こちらもらせん階段の両側に向かい合わせに書かれており、2枚の絵の向かい合わせと十字を切るような位置に描かれていた。壁画は、時に始まりや終わりなど無く永遠と続いていくものだと主張した一人の画家がその主張を証明するために描いたもの。扉を開け十字の交点に時の女神が現れ、時の固定化を望まないと言ったという伝説が残されている。
私は時の概念をほんの少しだけ体験した。並行する世界と時間はそれぞれ行き来可能で、同じ時間を数学的に加減乗除さえできる。4枚の絵の周りを高速で回転し、薄暗いらせん階段いっぱいに星の軌跡が見えた。